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誰もが噎せ返ってしまうような空間に直立不動な青年は、表情一つ変えることなく黒い目を満月に向けていた。
光に照らされた青年の顔は色白く澄んでいる。
その光景は何処か幻想的にも見えた。
青年は手元に持っている小さい箱から棒を取り出すと箱の隅に押し当てる。
紙と何かが擦れる音と共に先端に赤い火が灯った。
小さい輝きによって辺り作られた幾つもの影が揺れ動く。
赤く照らされた青年の口角が上がる。
今まで無表情だった色白顔は微笑みを見せていた。
青年は躊躇いもせずに床えと輝きを離す。
「もう一度・・・もう一度生まれ変わったら幸せになろうね・・・兄さん」
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