第1章

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「考え過ぎです。溝田さんがいなくなるロール印刷の事は気になりますけど」 ……そりゃ、イケメンが1人でも多い職場が良いかもしれないけど。 彼は既婚者だ。 朴さんと同じ……。 「そうだよね。彼は責任感もあるし、 確かに後釜が育ってないのに、この人事決定はどうかな?って思うよ」 「そうですよ」 会社は、 少し見る目がない。 何故、私をクビにしない? 「朴さん」 「ん?」 チキンのハーブ焼きを切り分ける朴さんに、 思いきって聞いてみる。 「私がクビにならないのは、何故ですか? それには、朴さんの口添えがあったりするんですか?」 皆の憶測が事実だとしたら、 私は、 朴さんに、返したくても返せない恩ができてしまう。 「口添えしたのは、俺じゃないよ」
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