第1章

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「キレイって……真っ暗でしたよ」 「そうだね。だけど、月明かりと僅かな外灯で、十分にわかった」 「……でも」 やっぱり、 こわい。 「今日は、そこのあとに、普通にホテルに行くってのもありだから」 「……時間は……」 「最近は勤務時間がメチャクチャだから家にはどうとでも言える。気にしないで」 「……」 スリルが大好きな朴さん。 そんな朴さんに、愛される悦びを知ってしまった私が断れるわけもなく。 「でも、一応、用心するから」 朴さんは、この間と同じ、誰もいない、チェーンも掛かってない山奥の会社敷地内に車を止めた。 ドキドキする、 悪いことをする前って、 心臓は別の生き物みたいになる。 朴さんは、先に降りて、 そこが無人であることを確かめた。 「おいで」
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