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瞬時に主翼からフラップがせり上がり、プロペラと相まって更に風を切った。
女性の悲鳴の様な声が空に木霊する。
青年は強く座席に押し付けられるが降下を続けた。
躯を押し付けられながらも前を見据え、丸い機器が並ぶ上に備えられた四角い硝子を睨みつける。
瞬間、青年の手は操縦桿に備え付けられているトリガーを引く。
--ダダダダダダダッ。
軽快な音と振動と共に左右の翼にあった筒から銃弾が発射された。
綺麗な曳航弾とは反対に薬莢が硝煙と共に後方へ飛ばされて行く。
筒からは発射された弾は光を纏いながら、先程青年が見据えていた場所に向かって突き進んで行った。
その先には、ずんぐりとした胴体に太いエンジンを二つ積んだ爆撃機か三機。
綺麗な編隊を作って進んでいた。
内一機の爆撃機上部、旋回機銃に付いていた機銃手は青年の機体に気付くと、叫びながら機銃を撃ち出した。
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