SmileySmile

27/28
209人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「何? わたしはまえのことなんて気にしてない。紘斗を見ててだらしないって思ったことないし」 「そうじゃなくて、云い訳してるみたいだろ。社長に煽られて云い返したことも、ガキみたいだったって反省してる」 紘斗は自嘲するように笑った。 「そんなことない。わたしはうれしかったよ」 「おれもうれしかったかもしれない」 「え?」 「おれを疑ってない」 「紘斗は紘斗だから、疑うことなんてないよ」 いつかと似たセリフを云うと、紘斗は可笑しそうな笑みを漏らした。 「離婚は親父が金策してる最中だった。 もともと仲がよかったわけじゃないし、会社が危なくなってそれに拍車がかかった。 社長に云ったとおり、親父はいまでも返済してる。 働きだしておれが援助するって云っても断られた。 そこは親父のけじめだろうし、だから親父のことでもだらしないことでも、姫良に心配かけることはない」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!