第1章 春が来た!

2/7
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
この春から、 俺の新しい生活が始まる。 これから、 毎日学校まで電車で通うし。 やっぱ、高校生っていうだけで 響きが違う。 っていう思いに浸ってたのに。 「よかった!!藤吾だ!! やっぱり、 同じ電車に乗ってたんだね。」 と車両中に響き渡るでっかい声。 希望に満ちた新しい生活が、 1割引に感じる。 声の主はすぐにわかった。 「なんだ松野か」 初めての学校なのに、 中学生のときと同じ、 くしゃくしゃの髪、 何とかするんじゃ、なかったのか? その髪。 挨拶代わりに、 髪を少しつまんで引っ張る。 「何よ?何よ?   その反応。 感じ悪い。 まあ、その気持ちわかるけどね。 まさか、高校までも一緒とは。 中村藤吾君」 と言いながら松野は、 自分が転ばないように、 俺の制服の端をつかんでる。 背が小さくて、 つり革届かないんだろ? お前。
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!