第1章 春が来た!

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学校に着いても、 松野は、知り合いの西中のやつらに、 あの二人のことを聞きまわっていた。 何で、他の中学のやつに、 そんな知り合い居るんだよ。 昼休みになって、 松野は、俺の許可なく 勝手に机をくっつける。 「俺、何でお前と昼食べんの?」 「いいじゃん。 藤吾も聞きたいでしょ?」 松野は、持っていたメモらしきものを見ながら言った。 「えっと、彼女は、 川井小夜子さん。 西中の生徒会副会長。 でもね、西中の会長が、 引きこもりになって、 家から出られなくなった から、川井さんが 会長の代わりをしてたんだって」 「何だそれ」 「ちなみに、小夜子様は、 ご自分から、 しゃしゃり出るような真似は、 なさらないだそうです」 「誰が言ったの?」 「私たちは、 小夜子様のただのファンですって ツインテールの双子みたいな女の子たち」 「あっそう」 「藤吾、ライバルだね」 「何で俺がライバルになるんだよ。」 「だって、彼女たち、 小夜子様を狙う、不届き者がいるって 情報と交換に、教えてくれたんだもの」 「それ、俺のこと?まさかお前、 俺のことそいつらに売った?」 「ごめん。 背に腹はかえられなくて。 でも、現実よりちょっと かっこよく言ってあげたよ」 「ひでえ」 「西中の子、今でも、 川井さん見ると小夜子さまあ!! ってファンがいて、 ちなみに女の子が多いんだ。 みんな敬語使うらしいよ。すごいね」 「人望もあって、頭もいいんじゃん。 対抗するだけ無理じゃね?」 松野が機嫌を損ねたって顔したので、釘を刺した。 「藤吾、 あんたってデリカシーがないんだね。 もてないよ」 「何がデリカシーだよ。 現実見ないで、 浮かれてても仕方ないだろ?」 「やっぱ、あの人彼女かな。 あの人ヒロ君と ずっと一緒にいるもん」 「そんなに気になるなら聞けば?」 俺は、いい加減めんどくさくなって言う。 「やだよー!! 速攻で振られるじゃん私」 「じゃあ、悩んでたら。 いつまでも勝ってに悩むのは 自由だろ?」
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