2章 彼女

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川井小夜子は、にらんでいるに近い顔で、 幼馴染の西村弘のことを見つめていた。 4月、高校へ進学する今年の新学期も、 幼馴染のヒロとむかえる。 忙しいおばさんに代わって、 ヒロの分も入学式の準備もした。 何もかも予定通り。 学校にもなれたし、 上手くやっていけると思い始めていた。     それなのに 突然、ヒロが言った。 「小夜?僕、さっき、告白されたんだ」 とヒロは嬉しそう。 小夜子は 一瞬、時が止まる。めまいがした。     「はあっ?」 誰かに告白されたってこと? いつ? 誰が? どこで?何を?    もうちょっと、 分かるように言ってよ。ヒロ。 ちょっと待って、 今、頭のなか整理するから。 血の気が一気に引くのが分かる。 どうしよう。         冗談でしょう? そうに決まってる。 ヒロ、告白されてOKするって、何? ヒロ、私にはダメって言ったのに。おかしいじゃない。 冗談。ありえない。 今年はまだ、 エイプリルフールやってなかった?        だから言ってみたとか? 告白されたとかって。     私のこと驚かせようとした? もう、十分驚いだから、早く言ってよ。 そんなの冗談て。  
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