第1章

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「……おい。どこいくつもりだ?」 「え、えーっと……」   幼馴染みの玲菜(れな)を迎えにいくと、 あいつは教室を出ようとしていた。 「今日は迎えにいくっていっただろ?」 「で、でも、一人で帰れるし。じゃっ!」 「……待て」   くるりと背を向けて、 逃げだそうとした玲菜の襟首を掴む。 「ひ、一人で帰れるから!」   俺の方を振り返った玲菜は涙目になってる。 ……はぁーっ。 「帰ったらおばさんに怒られるだろ?」 「で、でも……」   ……ああもう。 頼むから、 そんなにうるうるして俺を見ないでくれ。 「そんなに歯医者、嫌いか?」 「嫌い!大っ嫌い!」
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