第1章

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……俺も大概、玲菜に甘いなー。 「うん。 でも、尊(たける)、 最後までついてきてくれる?」 「はいはい。ついて行ってやるよ」 「よかったー。じゃあ歯医者さん、いこ?」   さっきまでの不機嫌さはどこへやら。 玲菜は鼻歌さえ歌い出しそうな感じで 歩き出した。 慌ててその後を追う。 下駄箱で靴を履き替えて並んで学校を出ながら、 玲菜にちょっと聞いてみた。 「おまえさー。 歯医者嫌いなら、 日頃からちゃんと歯磨きしろよ」 「歯磨きしても 虫歯になるときはなるんだもん!」   ぷーっ。 玲菜の頬がふくらむ。 「なら、俺みたいに定期検診いけよ」
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