第1章

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「無理! なにもしないんだ、 口の中見るだけなんだってわかってても、 あの椅子に座ったら 無駄にドキドキするんだもん!」   ……はぁーっ。 そうですか。 「……なあ。 その歯医者が俺だったらどうする?」 「尊だったら……我慢できる、かも」   俯いた玲菜の顔は真っ赤になってる。 ……きっと玲菜はいまの一言で、 俺の将来を決めてしまったことに 気が付いていない。 「玲菜ー、今日定期検診だから、 午後から病院な」 「えー」   嫌そうに玲菜は顔をしかめるけど。 「妊娠中はいつも以上に、 しっかり歯のことしといた方がいいの。 わかった?」
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