第1章

7/8
前へ
/8ページ
次へ
「……ご褒美?」   上目遣いで玲菜が見上げる。 ……あの日と同じ、顔。 「おまえが好きだっていってた、 京都の和菓子屋のお菓子。お取り寄せしてる。 今日ちゃんと病院来て検診受けたら 玲菜にあげるし、 来なかったときは病院のスタッフで分ける」 「そんなー」   ……こっちこそ、そんなー、だぞ。 未だにご褒美で釣らなきゃいけないなんて。 「検診受けたら玲菜にあげるっていってるだろ? わかった?」 「……尊が診てくれるんだよね?」 「当たり前だろ。 可愛い俺の奥さんなんだから。 第一、 そのために歯科医になったっていってるだろ?」 「……じゃあ、いく」 「はいはい。待ってるからな」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加