母親

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※ 「何ソレ、そんなことで怒ってるの?」 「そんなことじゃないわよ。何で母親の私よりも先にユキが胎動を感じちゃうのよ」 呆れた顔で笑う容子にふて腐れる私。 「咲穂ちゃん寝てたんだから仕方ないじゃない。リンゴを剥いたんだけど、どーぞ」 そんな私たちのやり取りに笑いながらテーブルの上にリンゴの皿を置かれる。 「あ、すみません。ありがとうございます」 まさか訊かれてたとは思わなくて、恥ずかしくて顔が熱くなる。 とある休日の昼下がり。 リンゴを出してくれたのは容子のお母さんで、私は容子の実家に来ていた。 「ちょっと立ち聞きしないでよ」 ノックもせずに部屋に入ってきたことに文句を言うと容子のお母さんは謝り、部屋を足早に出て行ってしまった。 .
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