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どこも同じだな、とつい笑ってしまった。
「それはそうと調子はどうなの?」
「うーん、普通かな?というか未だにあと少しで、この子が生まれて来るっていう実感が沸かないんだよね」
はちきれんばかりの大きなお腹を擦りながら容子が笑う。
数か月後には私のお腹も、これくらい大きくなるのかと思うと正直ゾッとする。
「容子で実感がなかったら私はどうなるのよ。てか、心配したんだからね。急に退職することにしたってメール来たときは」
「ごめん、ごめん。迷ってたんだけどね、引き継ぎも上手くいったのもあって早めに辞めさせて貰うことにしたの。咲穂はどうするの?」
容子は出産を機に退職するのだ。
もともと結婚したら専業主婦になると公言していただけに、迷いはなかったみたいだけど。
「うーん、まだ迷い中。でも、この子が動くようになって少し考えも変わってきたかな」
お腹を擦ると、ソレに答えるように中からお腹を軽く蹴られ、笑ってしまった。
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