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「容子のとこって男の子だっけ?」
「そう。咲穂のとこは女の子だったよね」
「うん。同級生だね。何か嬉しい」
容子が一緒だと思うと初めての子育ても心強さを感じる。
「だね。てか、将来うちの子の嫁に頂戴よ」
「ソレいいね!容子のとこだったら安心だし」
まだ生まれてもいない子供たちの将来の話に勝手に夢膨らませてしまった。
「とりあえず予約ということで」
冗談めかしく言う容子に半分本気な私。
「ところで真面目な話、咲穂はどうするの?」
言葉通り容子の顔つきがガラリと変わりる。
訊かれるだろうなと思っていたが、未だ答えが出ていない私は戸惑いを隠せなかった。
「まだ迷ってるの。実際、両立させる自信はないけど、働きながら育ててるお母さんて案外いるし。でもユキの言うように、これを機に仕事を辞めるべきかなとも思ったり」
「やっぱり辞めてほしいんだ」
「うーん。私の気持ちを尊重するとは言ってくれてるけど、本音は辞めてほしいんだと思う」
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