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「山本君は良い人です……」
「良い人というより、困っている人を助けるのは当然だろ?」
自分の信条を素直に言うとそういうことになる。
別に俺は優しいわけじゃない。
ただ、理不尽なことや曲がった事が嫌いなだけだ。
「それを良い人って言うんだよ! やまとっち!」
四人で他愛もない話をしていると、駅に着いた。
「それじゃあ、またね」
「またあしたー!」
優木と六宮の二人は電車で通学している。
琴浦は学校の近くに家があるらしいので、歩いて通学をするそうだ。
俺も学校から、さほど距離は離れていない場所に住んでいる。
ただ、そこまで近くもないので自転車通学にしようと思っているが、自転車を持っていない。
そのことを琴浦に話したら、「私の自転車使う?」と言われたが、流石に申し訳ないので断った。
「でも、みんな良い人そうで良かったなあ」
そう呟いた琴浦は、本当に嬉しそうだった。
「そうだな」
俺も同感だ。
「それじゃあ私の家、ここだから。またね、山本君!」
「じゃあな」
さて、帰るか。
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