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「ポン!」
「あれ~人が倒れたじゃない」
「本当だ、早く救急車を呼ぼ!」
「あれ?これ僕なの?そうか、僕~死んだのか~」
血だまりに倒れてる自分を見た雪風はこんなにひどいダメージを受けたら、もう救えようがないなと思った。
今ここに意識がある自分は、ただの幽霊に過ぎないという事実も自覚した。
「まさか、死んだ後、本当に幽霊になれるとは」
まあ~いいんじゃない、ちょっと悔しいけど、どうせ、この世界での自分はただの孤児、両親の顔も知らない、学校にいても、虐められるターゲットだけ。
災厄のは、もうすぐ恋人になれるはずの幼馴染もお金持ちのぼんぼんと付き合った。
この世界でチッボケな役も出来ない自分はこうやて死んでしまっても、誰も悲しんだりしないだろう~
「やっと死んだか、これで、邪魔者はいなくなった。」
「はい、坊ちゃん、もうあなた様と家の財産を争う者はいない、全て坊ちゃんの物になる。」
「何!?」
まだ自分の灰色の人生を嘆いてる雪風は二人の対話に引かれた、一人は執事のような中年男、もう一人は自分と同じくらいの少年、二人は人ごみ隅にいる。
「よくやった、このカードあの殺し屋に渡せ、中は約束の金額だ。」
「はい、かしこまりました、坊ちゃん!」
「まさか、親父はこんな私生子を残したとは~」
「女の方は昔、屋敷の下女のようでございます。」
「そんな事どうでもいい、こんな下流で育てたクズはうち財産に触れる権力がない!」
……
「何だよ、僕は殺されたのか、僕はなんかしたのか?何でこんな目にされなければならないんだよ?僕は自分の両親をしていても、財産なんかに興味がないんだ!クソ!何でだよ!!!」
雪風はまだ気づいていない、自分の霊体は段々赤くなった。
「憎い!お前らを憎い!絶対殺す!」
「悪霊になると、天道に捨てられる、六道輪廻には入れなくなる、最後は無になる結末しかない、それでもいいのか?」
突然空から、温かくて優しい光が雪風を囲み、憎しみによって心を歪んだ雪風をなぐさめ、赤くなった霊体も元に戻た。
「おじいさんは誰?何で僕のことを見えるの?」
落ち着いた雪風は後ろに振り向くと、一人の白髪の老人がそこに立っていた、その老人は白くて長い服を着て、全身を聖潔な光に包まれてる。
「まさか、おじいさんも幽霊?」
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