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「俺に合うのやっぱりないよね…」
クラヴィは大柄なことが祟り、学園に用意されている棍棒では合わないし扱いにくい。そのため教師に頼み込み、持参という形を取っている。太もものホルダーから小さい棒を取り出すと、大きく振るう。カシャンッと音を立てて棍棒に変形すると、四ツ葉のクローバーを模した飾りがキラリと光る。
「クラヴィ、お前は勝ち残った生徒の相手をしてほしい、お前が初戦から居てはみんなボコボコになれちまうよ」
「じゃあ体動かしてますね」
クラヴィのいる棍棒の組みはトーナメント方式を取っている、勝ち残った生徒がその時のトップの生徒と手合わせをする。今回勝ち残ったのはミリア・ライネール。女子だ。
「グロウリア対ライネール、始め!」
やりにくいと思いながら打ち込まれる攻撃を防いで行くクラヴィ。ミリアはムッとした。
「女だからって、加減しないでくれる?ムカつくんだけど」
「うーん、傷つけたらごめんね?『牙突』!」
棍棒は振るえば剣、払えば矛、突けば槍と言われている。クラヴィが繰り出したのは棍棒術の突技、みぞおちを正確に狙い力を入れ加減しながらも突けば、ミリアは息をガハッと吐き、よろめいた。教師はミリアの負けを言い渡し、実技は終わった。
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