第1章

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春には桜が春とともに咲き乱れ 夏には空が青く海も青く 秋には紅葉が色をつけ 冬には雪で白く染まる。 季節が流れるこの小さな島の端っこにある、 小さな病院に転院してきてもう2年 ひたすら白い天井を見つめ。 毎日同じように生きて 死ぬその日を待つだけの なんの価値もないこの人生を いつまで私は無駄に生きればいいのだろうか。 冴島 月 月のように人々を優しく包み温かく照らす人になって欲しい。 そう願われてつけられた名前。 名前負けなんて言われなくてもわかってる。 今夜は満月のせいか外が少し明るく見える。 その月明かりが桜を美しく照らす。 もし、病気でなければ…こんな夜も愛せただろうな。 そう思い呆れつつ眠りにつく。 死にたい。
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