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「あ、はいっ。
ちゃんと無事帰れました」
「よかった。
返事なかったから、
どうかしたのかと思って……」
フロアに空調が効いて来て、
さくらさんは
団扇を持つ手を止める。
「織部先生と、何かあった?」
その口元が、
にやりと面白そうに釣り上がる。
「えっ!?
な、何言ってるんですか!?」
「だって、あの雨で
帰れるわけないじゃない」
的を得たりと、
さくらさんは団扇を
デスクの上に放り出し、
小走りであたしに駆け寄った。
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