嵐のあと

7/29
前へ
/29ページ
次へ
  けれどもそれは、 言葉と共にすぐに かき消えてしまった。 「……いいと思うわよ。 織部先生と美園ちゃん」 「さくらさん、 織部センセイと面識あるんですか?」 「あるわよ。 3年前までは、 ここでの仕事がメインで いらっしゃったもの」 空調効いてきたわね、と さくらさんはようやく 落ち着いた様子で煙草を手に取った。 あたしもふうと息をついて、 自分のデスクに手をかける。 ──と。 「おはようございまっす」 いつもより幾分早く、 深町さんが出社して来た。 .
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

239人が本棚に入れています
本棚に追加