嵐のあと

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  深町さんは あたしに視線を向ける。 その顔を見て、 思い出した。 ──彼にアプローチされていること。 昨日は避けてしまったこと。 電話の方の着信は、 彼だったこと。 さっきのさくらさんとの 会話の時とは違う意味で 血の気が引いた。 「お……おはようござい、ます」 しまった。 深町さんのデスクは隣だ。 さくらさんは 一瞬にして挙動不審に陥った あたしを見、 そして深町さんを見る。 .
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