まいった

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眼鏡屋には入った事がなかった。 元々目はいいし、今までの恋人で眼鏡はいなかったからだ。コンタクト派ばかりだった。 「色々あるねー。」 恵も初めてらしく、大量に並べられた眼鏡を前に物珍しそうに見物していく。 漫画では黒縁眼鏡で登場しそうな恵の雰囲気に、思わず王道っぽい黒縁眼鏡を渡してみた。 「あぁ、何かクラスにいたな、これ掛けてた人。」 恵は嫌な顔1つ見せず、それを受け取りかけた。 「どうかな?真面目に見える?」 きゅーん 不意打ちのようなトキメキが胸を襲う。 これがいわゆる、眼鏡をかけると2割魅力がますというマジックなのだろう。 「うん・・生徒会とかしてそう。」 他に見られたくなくて、さり気なく眼鏡を外させれば、素顔にまたきゅんと胸が騒いだ。 (もしかして、私、とんでもない場所へ来ちゃった・・?) ワナワナと身体が震えた。
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