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一人になり、昨日の記憶を必死に思い出した。
どう思い出しても、あの女の人が誰だか分からない。
どこで出会ったのか、名前が誰なのか。
しかし、相手は親しげに呼んでいたし、フルネームでも私を呼んでいた。
嫌な気はしたが、昨日確実に一緒に飲んだ友人に電話をかけてみた。
「あんた、そこまでいったらもう病気だね。」
が、返ってきた言葉はあまりにも信じがたいもので。
「汐菜がいつも呼べ呼べってうるさく言うから、呼んでたのよ?」
「私が?!」
「そっ。あの子、恵って言って、2カ月以上前からの知り合いよ?」
「2カ月以上?!」
「今日で10回はあってるわね。」
もう驚きすぎて吐き気がした。
まったく記憶にない上に、そんなに会っていたなんて。
「で、毎回あんたが口説いては、キスしてる。」
「ねぇ、お願い。嘘って言って。」
「はぁ・・。」
1番の親友は、過去最大級ともいえるため息をもらした。
「私も嘘だと思いたいわよ。」
「だって!今まで言わなかったじゃない!」
「あんた、毎回酔ったら記憶ほとんどないじゃない。」
痛いところをつかれた。
そう、私は毎回酔うと記憶がとんでしまう。
その為、黒歴史が増えてしまっていたのだ。
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