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「お待たせ。30分ぐらいで出来るって。」
「・・・・。」
ソファで待っていた汐菜はぎろっと睨んでいた。
「どうしたの?待ちくたびれた?」
「店員と知り合いなの?」
「いや?」
「ずいぶん馴れ馴れしかった。」
あぁ、これが嫉妬というやつか。
「汐菜、言い忘れてた事がある。これ、重要。」
「なに?」
「私ね、年上キラーらしい。」
「は?」
自称でなに言ってんだこいつ、とか思わないでください。
不機嫌マックスの汐菜の眉間の皺を指でグリグリ押してみた。跡がつきそうだったから。
「年上の女性から好かれる事が多いの。」
「経験上?」
「うん。気付かないほど鈍くはないけど、こっちにその気は無いならからスルーしてる。だから、汐菜も気にしない方がいいよ。」
納得は出来ないようで相変わらず表情は固いままだった。
「ねぇ、恵っていくつ?」
「22。」
「うそ・・3つも下だったの?」
そういえば年齢の事話した事がなかったな。
「見えない?」
「同い年かと思った。」
「3つぐらい変わらないでしょ。昔から子供らしくないって言われてきたけど。」
冷めてるのか、落ち着いているからか。
実年齢よりも高くいわれることばかりだった。
さらに、何か思う事があったのか落ち込み出す汐菜。
「年下の同性・・。」
ぽつりと呟かれ、少しだけチクリと胸が痛んだ。
同性というワードは、彼女にはマイナスでしかないから。
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