六試合目

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じゃあ、俺の10年間は何だったんだって。いや、俺が悪いのか。 「ずっと、待ってたんだ。瑠依の中で俺への気持ちがしっかりして。俺を受け入れてくれるのを。ずっと、隣で。 まさか、10年も逃げられるなんて思ってなかった。」 俺の頬を優しく撫でながら、柊は話す。 俺といえば、柊が言ったことがまだ理解出来なくて。さっきから頭の中でリフレインしている。 「……瑠依、聞いてるの?」 「き、聞こえない。柊が何言ってるのか分からない……っ、」 きっと俺の耳がおかしくなったんだ! しゅ、柊が俺の事を、……いや、そんな事あるわけない! それより、そんなことより。 俺の気持ちが、柊にバレてたって事実に驚きすぎてどうしていいか分からない。 「瑠依。」 「はっ、離せ…っ!」 パニくり始めて暴れだした俺を、柊が上から抑えつける。 「瑠依が納得するまで、何回でも言うよ?それとも、瑠依は信じたくない?もう、俺の事、信用できない?」 「ーーっ、」 静かに話す、柊の声。聞き覚えのある、声。この声を出す時の柊は、いつも何かに哀しんでる時だった。 「……ね、瑠依。もう、遅い?」 恐る恐る柊の顔を見ると、眉毛を下げて悲しそうに目を細める柊がいた。 「……もう、無理なのかな………。」 ゆっくり顔を近付け、再び、柊は耳元に囁き続ける。 「瑠依は、もう、俺が隣にいなくてもいい………?」 俺に聞こえるように、静かに優しく囁き続ける。 柊が、俺を好き?いつから?高校の時から?もう、遅い?何が?無理?何が? 隣に、柊が居なくてもいい……………? ーーーーそんな訳、あるか! 「………かが。」 「瑠依?」 「…………この、バカがっ!」 掴まれていた腕をバッと外して、柊の首に巻き付けた。突然大きな声を出したからビックリして怯んだ様だ。 「ーーーお前は!俺がどんな性格か分かってて、追い詰めることすんな!なんで、無理やりでも俺を奪わなかったんだ…………っ!」 「瑠依………、泣いてるの?」 「………るせっ、」 ずっと好きだった奴が手に入るんだ……っ。泣くに決まってるだろ! 「………瑠依。ごめん。泣かないで。俺がどれだけ瑠依を思ってるか、一晩中体に教えてあげるから。」 「え。」 今、なんて、言った? 「大丈夫だよ?俺に任せて。」 「いや、あの、」 て、展開早すぎやしないか!?
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