三試合目

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二度あることは三度あるとは、いうけとれど。 こんな時に、その効力を発揮するなんて。神様は、絶対俺の事を嫌っている。 あれから、毎日のように柊からメールが入る。 内容的には、何もない。「おはよう」「今日は暑いね」「おやすみ」 だけど、今まではなかったのに。俺のスマホは、柊専用かってくらい、あいつからのメッセージで埋まっている。 限界がきていた。今まで、頑張って忘れようとしていたのに。 何であの日、同窓会なんて行ったんだろう。 「君、一人?」 「………ああ。」 これ以上、耐えてるのはおかしくなりそうで。いっその事、誰かに壊してもらいたくて。 俺は初めて、俗に言う発展場という所にきていた。 もう、誰でもいい。最初に声をかけてきたヤツについていこうと思った。 「……………瑠依?」 「ーーーー!!」 なんで。こんな、ホテルの前で。知らない男に腰を抱かれて歩いてる時に。お前に会っちまうんだよ………! 「知り合い?」 「ーーは、早く入ろっ。」 男を急かして。早くホテルの中に逃げ込もうとしたのに。 「………ダメだよ。瑠依。俺とケンカしたからって、他の男で八つ当たりしようなんて。」 「ーーー!」 柊に腕をグッと掴まれて、その胸に引き寄せられた。 「ーーチッ、なんだよ。彼氏持ちかよ。」 「そ、悪いね。他、あたって?」 出逢った男があっさり引いて、この場所には、柊と俺だけになった。 「瑠依。さっきの男に、抱かれるつもりだったの」 「……!!」 見上げた先。そこには、冷たい目をして俺を見る柊がいた。 「誰でも良かったの?………じゃあ、俺でもいいよね?」 「なっ!」 誰でも良かった。でも、それには、お前は入ってない。 お前に同情で抱かれるくらいなら、死んだ方がマシだ。 「………瑠依。このまま、俺に抱かれるか。それとも、一生会えなくなるか。どっちか、今すぐ選んで。」 ーーーー死神の鍬が今、俺の体に振り下ろされた気がした。
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