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二度あることは三度あるとは、いうけとれど。
こんな時に、その効力を発揮するなんて。神様は、絶対俺の事を嫌っている。
あれから、毎日のように柊からメールが入る。
内容的には、何もない。「おはよう」「今日は暑いね」「おやすみ」
だけど、今まではなかったのに。俺のスマホは、柊専用かってくらい、あいつからのメッセージで埋まっている。
限界がきていた。今まで、頑張って忘れようとしていたのに。
何であの日、同窓会なんて行ったんだろう。
「君、一人?」
「………ああ。」
これ以上、耐えてるのはおかしくなりそうで。いっその事、誰かに壊してもらいたくて。
俺は初めて、俗に言う発展場という所にきていた。
もう、誰でもいい。最初に声をかけてきたヤツについていこうと思った。
「……………瑠依?」
「ーーーー!!」
なんで。こんな、ホテルの前で。知らない男に腰を抱かれて歩いてる時に。お前に会っちまうんだよ………!
「知り合い?」
「ーーは、早く入ろっ。」
男を急かして。早くホテルの中に逃げ込もうとしたのに。
「………ダメだよ。瑠依。俺とケンカしたからって、他の男で八つ当たりしようなんて。」
「ーーー!」
柊に腕をグッと掴まれて、その胸に引き寄せられた。
「ーーチッ、なんだよ。彼氏持ちかよ。」
「そ、悪いね。他、あたって?」
出逢った男があっさり引いて、この場所には、柊と俺だけになった。
「瑠依。さっきの男に、抱かれるつもりだったの」
「……!!」
見上げた先。そこには、冷たい目をして俺を見る柊がいた。
「誰でも良かったの?………じゃあ、俺でもいいよね?」
「なっ!」
誰でも良かった。でも、それには、お前は入ってない。
お前に同情で抱かれるくらいなら、死んだ方がマシだ。
「………瑠依。このまま、俺に抱かれるか。それとも、一生会えなくなるか。どっちか、今すぐ選んで。」
ーーーー死神の鍬が今、俺の体に振り下ろされた気がした。
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