最終章

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トランクを閉め、後部座席のスライドドアを開けて、足元に道具ケースをおいた。 ………忘れもんは、ねえな。 ふっ、と、体の力を抜き、車の中に半分突っ込んでいた体を出そうとした、その時。 ーーーードン! 「!!」 突然、後ろから衝撃も受けて、そのまま座席に転がった。 な、なんだ!? 想定外の出来事にショックを受けたのか、体が反応しない。 そんな時、ギシッと小さく揺れる車に、体が反応してビクッとした。 「誰。今の人。」 「ーーーーーっ!」 この声。え、まさか。 「ねえ。タケルさん。誰。」 おいおい、授業中だぞ!? バッ!っと振り向くと、目の前にいたのは、予想した通りやっぱりヤマトで。 俺と目があうと同時に、ヤマトは後ろ手で車のドアを閉めた。 いつの間にか、車中に二人っきりな状況が出来上がり。考えもしなかった展開に、ヤマトに聞こえてんじゃねーかってくらい、動悸が激しくなる。 「……………お前っ、授業は。」 「タケルさんが帰りそうだったから、保健室行くって抜けてきた。」 「知らなかったでしょ。俺の教室から、ここ見えるんだよ?」そんなこと。 大きい目で、首を傾げて。あざといんだよ、お前。なんでそんな可愛い顔すんだよっ。 てか、近い! 座席に寝転がってる状態の俺に、何故かヤマトは跨ってきた。 何だこれ?一体どういう状況!?
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