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「普通さ、何とも思ってない人に毎日会いにこないよね。」
「………………。」
ちょっと、待て。今のなんだ。
「わざわざ、自分の性の事言わないし、好意寄せられてるの分かって、何も考えずにそれでも会いに来続けるなんて。普通しないよね。」
「タケルさんって、もしかして鈍感?」
首を傾げて、間近で見られて。
やめろよ!なんか恥ずかしいだろ!
「お前っ、幼馴染みはどうしたんだよ。」
「尊?ああ、あれ。半分ホントで半分ウソ。」
……………………はあ?
「尊をずっと好きだったのは、ホントだよ。初恋だった。でも、すぐに気付いてた。尊は、真帆が好き。真帆は、尊が好き。俺は、2人が大事。…………2人が付き合う事になった時は、心から喜んでたよ。」
「…………えっと、ちょっと待て。お前、俺と出会った時は。」
「もう、尊を恋愛感情では見てなかった。」
「……………………。」
俺、ちょっとパニクってます。
「悩んでたのは、俺は男が好きなのか。ただ、尊だから好きだったのか。そこが分からなくて、悩んでた。」
少し、伏せ目がちに視線を落とし。でもそれも一瞬で、すぐに目を上げて俺を見る。
それも、凄く強い目で。
「…………そんな時、タケルさん。あんたを見つけた。仕事してるあんたの姿、凄いカッコよかった。俺、やっぱり恋愛対象、男だったね。」
「…………………っ、」
ふわっと、笑う。ヤマトの笑顔。
俺の頬に優しく手を添えて、また、顔を近づけてきた。
「あの時、心を建て替えたいって思ったのは、あんたの心だよ。タケルさん。」
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