最終章

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「俺の事、好きだよね?」 何度も角度を変え、ヤマトはキスを繰り返す。 「俺も、タケルさんが好きだよ。」 「……………………っ、ふ、」 「ホントは昨日言うつもりだったのに…………、タケルさん誤解してんだもん。焦ったよ。」 コツン、と、額同士を合わせて、ため息をつくヤマト。 「…………幸せ、逃げるぞ。」 「逃げないよ。タケルさん捕まえたから。」 「……………………。」 お前、なんでそんな恥ずかしいこと。サラッと言うんだよ。 「とりあえず、週末。俺、あんたの家に泊まりにいくから。」 「は。」 「逃げないでね。」 そう、呟き。深く口付けてくるヤマトに。この、急展開に頭がついていかない。 「…………お前、授業、戻れよ。」 「んー、名残惜しい………。」 俺も、名残惜しい………なんて、言わねえからな、絶対! 「今から、別の現場行くんだよ。」 「じゃあ、今日はもう夕方会えない?」 …………………………。 お前、そんな可愛い事言うなよ。 「…………仕事終わったら、また連絡する。」 「分かった。待ってる。」 俺がそう言うと、ヤマトは、いつもの読めない表情になり、すぐに車から出ようとする。 「………これから、よろしくね。タケルさん。」 「…………ああ、よろしく。」 ニッコリ笑って車のドアを閉めるヤマトを見送って、俺もこの学園を後にした。 俺のここでの仕事は終えたけど。 ヤマトとの事は、これからも続いてくんだと思うと。 自然に笑ってる自分が、いる。 ……………まあ、ヤマトが何を思って週末泊まりにくるって言ったのかは、あまり考えないでおこう。 今日、朝の淀んだ気持ちとは正反対に、晴れやかな気分で。俺は、車を走らせた。 ーーーーend
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