アブニー・パークに雨が降る

1/1
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

アブニー・パークに雨が降る

なだらかな線を 描き降り続いている 雁字搦めの 毎日の重圧に 耐えながら 病んだことすら 気付かない マチネのジャズに 唯一心踊らせた 寂しい音を響かせて 空中楼閣を 1人夢見ていた アブニー・パークに激しい雨が降る 立ち眩みに似た 最後の時を 孤独な部屋で 迎えていた かすれて行く 視線を もう 現実は ブロックされ もう 戻れない 静かに灯りの点滅を部屋の片隅で 感じながら 残骸になる過去を 愛でる一瞬 全て消え去る 孤独な埋葬者は ただ四角い石版の 人生を終え 雨の涙で送られる 仄かな光と共に 「Final」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!