次はちゃんと

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また雨が降ってきた。 彼といると、よく雨が降る気がする。私、確か曇り女なのに。 私と会ってるから雨が降るって思われてたらどうしよう。 嫌われる。今度こそ絶対嫌われる。 敬語は大分ましになったから、少しだけ距離が縮まった気がしたのに。 でも、やっぱり完全には対等に話せなくて。 遠くから見てるだけでも良かったんだけど、まさかこんなことになるなんて思わなかったし。 でも、あの雨の日がなかったら今は私はこうして彼と並んでないわけで。 だから雨に感謝しよう。この瞬間をくれた天気予報に感謝をしよう。 今度の雨は、傘を持っていかないでおこうかな。 雨とくれば、雨宿り。デートと言えばお泊り。 なのですか? どうしよう。彼の玄関先まで来てしまったが、体動かない。 普通初めて家にお伺いする時って、何か持っていかないといけないよね、そうだよね。でも何も持ってないし、服濡れちゃってるし、明らかに失礼な訪問者だ、私…。 これはどうすればいいのでしょうか。 これはどうするのが正しいのでしょうか。 「どうぞ、上がってよ。」 「あの…私何も持ってきてないんですが…」 どうしよ、今から近くのコンビニとかに何か土産物的なもの売ってないかな。雨も止んでくると思うし、今から行けば… 「そんなのいらないから、上がってよ。今日結構歩いたし、座りたいだろ。」 無言を貫けば、コンビニに行かせてくれるだろうか。 「とりあえず、上がって。」 彼の手が私の髪に触れた。すっごい気持ちいい。 人に髪の毛を触られるの、嫌いだったのに、何でだろう。 人の手って、こんなに気持ち良かったんだ。
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