〔2〕今よりずっと素直だったあの頃の気持ち

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後ろを振り返って、目を見開く。 「ひぃっ」 自販機から飲み物がガコンと落ちる音とともに、喉から無意識にそんな声が出た。 「………」 「………」 目の前にいる人物ーーー周防さんを見て、背中にたらーっと嫌な汗をかく。 「…とらないのか」 「え…あっ!」 慌てて缶を取り出し、どうぞどうぞとばかりに自販機の前を譲る。 勤務外の時間にこの人とどう接したらいいのか分からない。とりあえず、一言添えて去ろうと回れ右を開始する。 「お前…ブラック飲めたのか」 「え?」 周防さんがガン見している自分の手元を見ると、握りしめていたのは温かいコンポタ ーーーではなく、 「あれ…?コンポタ 買ったはずなのに何故ブラックコーヒーが手元に…?」 自販機を見ると、買うはずだったコンポタ の隣にはブラックコーヒーが並んでいた。 つまり、周防さん登場に驚いた拍子に、間違って隣のブラックコーヒーのボタンを押してしまったわけか。 …私のコンポタ …
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