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「俺と、付き合ってほしい」
高校二年、春。
クラス発表も終わり、今日は新しいクラスのHRで委員会や係やらを決める日だった。
クラスで一番重要な役割、かつ一番めんどくさい役割であるクラス委員に任命されてしまった私・宇井奈緒(うい なお)は同じ委員になった彼・湊 陽介(みなと ようすけ)と一緒に、担任の先生から頼まれた名簿を皆が帰った放課後の教室で作成していた。
湊とは一年のときは違うクラスだったけど、それなりに面識はあったし何度か会話もしたことがある。
一緒に遊びに行ったり、プライベートなことにはあまり立ち入らなかったけど、誰にでも分け隔てなく接する湊は男女双方から人気があったし、そんな湊に私も好感を持っていた。
「……え?」
でも、その好感は間違っても“友達”としてであり、湊と“恋愛”なんて考えたこともなかった私にとって、今の湊の言葉はかなり衝撃的だった。
「っだから…っ!」
そんな私の反応に痺れを切らしたように、湊は頬を赤く染めてもう一度、ゆっくりと呟いた。
「宇井のことが、好き、なんだよ…」
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