第一話 出会い

6/9
前へ
/285ページ
次へ
その後警察の人が来て帽子の男性とは別の部屋で被害届を出すか聞かれて出す事にしたんだけど、まだ手が震えて上手く書けない。 それを真紅の瞳をした男性が見て、私の手に彼の大きな手を添えてくれてようやく落ち着いた。 「あ、ありがと…ございます…。」 「落ち着きなさい。もう大丈夫だから…。」 「は、はい…。」 私の手に手を添えるために近くなった距離…。 タバコの少し乾いたにおいがするから、タバコ吸う人なのかしらね…。 「書けた…。あの、ありがとうございます…。」 「気にしないでいい。美紅、次の電車何分か分かるか?」 「ほいほい、ちょい待ってねー。…んー…と…、30分発だから今から15分後だねー。」 …今から帰ってもラッシュに当たる時間だから、混んでるんだろうな…。 空くまで待ってそれから電車で帰ろうかな…。
/285ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加