第1章 宿命の輪廻

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彼女達の帰宅を両親が出迎える。 夕方父がいるのは珍しいが、 私達の誕生日だからと割り切る。 母は、恒例の手作りケーキを焼き、 彼女達の好物が囲む。 だが、何処か無理に明るくしてる様な 違和感が拭えない。 和やかなオブラートに包まれたまま、 彼女達の16歳の誕生日を祝う両親。 膜を破る様に、母の瞳から流れる 涙と静かに語り出す父。 何を言われてるのか? 誰の事を言っているのか? 理解も納得も信じる事も、 放棄したいという思いが強い。 私達が姉妹ないとか、 両親共赤の他人だと言われても。 フリーズ寸前の彼女達に、 追い討ちをかける事実。 仮初めの家族ごっこ 16年間が全てが嘘だと言うのか そうは思いたくない。 確かに家族としての思い出は、 本当だと思いたい。
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