幕間・六

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「わかってる……。わかってるよ……。自分がバカなことをしてるって自覚ぐらい……わかってる!!」 振り絞るようなアキラの声―― 「でも、止まらないの!! 好きっていう気持ちが止まらないの!! あの人の……琥太郎のためなら……」 “琥太郎”――と。 彼女は光姫を名前で呼んだ。 それが意味するところ―― 俺の中で何かが爆発して―― アキラが小さく悲鳴をあげる。 彼女を壁に押し付けて――追い詰めて―― 彼女の瞳を覗きこむ。 このまま――彼女をここで奪ってやったら、光姫はどんな顔をするんだろうか? 無理やり、奪い取ったら……光姫はどんな顔をする? 「……銀?」 アキラの怯えたような声で我に返る。 ……何をやってるんだ、俺は。 無理やり奪っても、彼女は手に入らない。 光姫に対する当てつけのために――彼女を傷つけようとした俺は、光姫と何ら変わらない――。
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