第1章  プロローグ出会い

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 気づいたらもう夕方になっていた。楓はめぐみの手伝いを していた。マンションの下の駐車場からめぐみの荷物を 部屋まで運んだ。二人の部屋は五階で、楓は一番奥、めぐみは その手前の部屋だった。  楓は体力や力もそうとうある。それは暇なときに普通に 鍛えているからだ。そんな楓でもめぐみの荷物を 重いと感じた。それは中身を見て納得した。  「これで、最後だな」  「ハイ。ありがとうございます。楓さんがいなかったら 夜までかかってましたよ」  「・・・なぁあんた一人だろ?」  「ハイ。まだ独身です」  めぐみはうつみきながら返事した。  「いや、そこまでは聞いてないが。で、なんで こんなに荷物が多いんだ?しかも、これ漫画だよな?」  「そうですよ」    楓が持っていた荷物はほとんど漫画だった。箱いっぱいに 入っているので重いわけだ。  「あんた大人なのにこういうの見るんだな」  「ハイ。見ますよ。私、漫画とかアニメが好き なんで。だから今の仕事を選んだんだし」  「今の仕事?あんた何の仕事してるんだ?」  「う~ん。普通の人には笑われるかもしれないけど 笑わないですか?」  「笑うような仕事なのか?」  「いえ、私はこの仕事が一番素敵だと思ってます」  「なら、普通に言ってもいいだろう」  「そうですね。えっと、私声優なんです」  「・・・せいゆう?スーパーの店員か?」  「ガクン!違います!声優です。声の役者です」  「あぁヴォイスアクターか」  「ハイ。だから漫画や自分の台本を持ってるんです」  「そうか。まぁ趣味は人それぞれだ。俺は興味は ないがな」  「やっぱりないですか?」  「あぁ。まぁ俺は趣味がないんでね。ついでにいうと 人も嫌いだ」  「そ、そうなんですか?じゃぁどうして手伝って くれたんですか?」  「・・・わからん。ただの気まぐれだろう」  「そうですか。でも、手伝ってくれたことには 違いないですからね。ありがとう」  「!?・・・」    楓はめぐみの笑顔にまたドキッとした。その後も楓は めぐみと談話した。それから楓はめぐみに料理を作った。  楓は一人暮らしだ。料理も家事もなんでもできる。  めぐみは楓の料理のうまさに驚いた。そして 楓はめぐみの荷物の中にめぐみが写っているCDを 見つけた。  
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