第八章 不器用に繋がる想い

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「ケイです。初めまして……えーっと」 「後藤聖哉だ。この島で闇医者してる」  包み隠さず身元を明かすと、ケイと名乗ったバーテンは一瞬驚いたような表情をした。 「あ? あぁ! あ、すみません……ここ最近、この島に医者が入ったって噂を聞いたことがあったもので、でも……こんな綺麗なお医者様だったなんて、意外ですね」  そういう自分も闇の人間のクセに、よくもまぁそんな天使のような爽やかスマイルができるものだと、俺は差し出されたジントニックに口をつけた。
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