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「ここの店は沢渡さんの持っている店の中で、結構人気のある方なんですよ。開店前から店の前で待ってるお客様もいらっしゃますし……」
「へぇ……」
「だから沢渡さんもちょくちょくこの店に顔出しに来てくれます」
ケイはよほどこの店を任されていることが誇りなのだろう。話し好きなのはわかったが、俺にとってたいして興味のない店の自慢話にそろそろ飽きてきた。
「けど、沢渡さん、この間の会合の時に怪我しちゃって……最近になって仕事に復帰したって聞いたんですけど心配で……」
「っ……」
ぼんやりとしていた頭に、いきなり直球の話題が飛び込んできて俺は思わず息を呑んだ。
「どうかしました?」
「い、いや」
どう切り出そうか考える手間が省けた。せっかく回ってきたチャンスに乗っからない術はない。
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