第八章 不器用に繋がる想い

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「そうですか……沢渡さんは犯人の顔、見てないんですね」  俺は沢渡が階段から突き落とされて、それから数日意識不明だったことをケイに話した。すると、ケイは悲痛な面持ちで睫毛を下げる。 「俺、実は沢渡さんを突き落とした犯人って、田宮じゃないかって思ってるんです。ここだけの話ですよ」 「え? 田宮だって……?」  田宮が会合に紛れ込んでいたとすれば十分その可能性はある。沢渡が突き落とされた時は無防備にも単身だったから目撃者もいない。
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