第八章 不器用に繋がる想い

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※ ※ ※  沢渡に案内されてついていくと、VIPルームのような個室に通された。一般のホールが一階にあり、二階のみに設置された応接用のVIPルームだ。黒い革張りの高級ソファが並べられ、ガラスの天板のついたローテーブル、そして窓の向こう側には、二階だからさほど絶景ではないが、雑居ビルの隙間から遠くの夜景が見えた。  ケイが沢渡に言われずとも、次々とテーブルセッティングをしていく。  ちょっとしたチャーム(つまみ)とアイスバケットにいれた赤ワインはほどよく冷えていて、ケイが自分の仕事をてきぱきとこなして終わると、静かに頭を垂れて部屋を後にした。
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