第1章

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『偵察って言ってたけど、多分仕掛けてくるんじゃね』 『あー。それ俺の仕事やったのに…』 『最後の場所だからな…待っていられなかったんだろ』 言いながらナオトは振り返ると荒れ果てた施設に目を向ける。そこは昔使われていた発電所。所々で切れた電線がスパークしている。その様からは人で溢れていたころの面影は見えなかった。 『エリーは?』 『エリーは水の調達に行ってるよ。向こうに小さな町があったから…』 オミが町の方向に視線を向けるとケンジロウがそれを目で追った。 『あいつで大丈夫か?なんか騒ぎ起こしたらヤバくね?』 『そう思うなら、もっと早く来いよ』 オミに怒鳴られリュウジはすんませんと小さく呟いた。 『鉄塔が目印って言ってんのに、鉄塔の無い場所で集まる三バカだから仕方ねーよ』 ナオトがからかうように言うと三人は揃って項垂れた。 『本当、すんません』 『返す言葉もない』 『エリーだって分かってるだろ。余計な騒ぎは起こさねーよ』 ナオトはそう言ったが、三人は町のある方向に心配そうな視線を向けた。
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