15人が本棚に入れています
本棚に追加
老人が男たちに視線を向けた時、男がカウンターに金貨を置いた。
『少ないが…』
男が言うと老人は少しだけ頬を緩めた。
『若いの…気をつけてな。最近じゃこの辺にも「STORM RIDERS」が現れたって話だ』
『「STORM RIDERS」?親父、あんな奴らが怖いのか?』
『だったら安心しな!俺たち「BLACK RIDERS」がやっつけてやるよ』
『俺らの相手じゃねーよな―』
酒に酔った男たちは声を荒げていく。老人はそんな男たちに蔑むような瞳を向けると小さく呟いた。
『今じゃこんな奴らしか集まらん。この星はもう終わったのかもしれんな』
男は老人をちらりと見るとサングラスでその瞳を隠した。そして老人に礼を言うと背を向け軽く手を振った。
その時老人の耳にはっきりと聞こえた。
『青の魂が生き続ける限り、この星は終わりはしない…』
『おい、若いの…』
男は老人の呼びかけが聞こえなかったのか、足を止めずに店を出て行った
『青の魂を持つ者…』
老人は昔を懐かしむように、ぼそりと呟いた。
店を出た男は止めていた車に乗り込んだ。エンジンを掛けギアに手を掛けた時だった。
『おい、待て』
呼び止める声に男は振り返った。
最初のコメントを投稿しよう!