第1章

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『おい、あれ…』 崖から周囲を見渡していたタカノリが声を上げた。その声に皆がタカノリの周りに集まって行く。 彼らの目に映ったのは砂塵を巻き上げ走る一台の車。その車にはエリーの姿が見えるのだが…彼がいるのは助手席側。エリーはまるで鳥が羽根を広げるかのように両手を広げ、そして右手を空へと突き上げた。 まるでこの空は自分のものだと言いたげなエリーの姿を見て五人は唖然としていた。 『つか、誰が運転してんだ?』 『あいつ、また勝手な事したんじゃねーだろーな!』 彼らの心の内など知らないエリーが五人の元に現れた。車が止まりエリーが降りてくると皆が勢いよく詰め寄って行く。 『エリー!』 『よ!』 『よ!じゃねーよ!お前、誰に運転させてんだ』 オミがキツイ口調でエリーを問い詰める。だがエリーはしれっとした顔をする。 『町でちょっとな…』 そう言ってエリーが車に目を向けると運転席から男が降りてきた。 『すみません。俺が彼に無理を言ったんです』 男はそう言うと五人に頭を下げた。 『皆さんが「STORM RIDERS」なんですか?』 男の言葉に皆が視線を交わした。男はその様子を見てやっぱりと呟いた。
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