第1章

13/17
前へ
/58ページ
次へ
その呟きを聞いたオミは男に視線を向けると両の腕を組んだ。 『俺らが「STORM RIDERS」だって分かってて、なんでここに来た?俺らの噂、知らないわけないよな?』 『…』 男はただ黙ったままオミを見つめている。男にちらっと視線を向けたエリーが言った。 『こいつは俺たちに会いに来たわけじゃない。こいつの目的はこの場所に来ることだったんだ』 『なんでこんな所に?』 エリーの言葉にケンジロウが問いかける。エリーはもう一度男に視線を向けた。 『ここは「BLACK RIDERS」ってやつらの根城なんです。俺はあいつらに奪われた大切なものを取り返したくて…』 『「BLACK RIDERS」って…あのバカっぽい奴ら?』 『俺らの後をつけまわしてる奴らか…』 男は俯いた顔を上げて声を荒げた。 『「STORM RIDERS」の噂なんてデマだって俺は知ってます!本当は「STORM RIDERS」の後を辿って「BLACK RIDERS」が暴れまわってる。それを「STORM RIDERS」の仕業だとあいつらが噂を広げてるんだって…』 男は悔しそうに拳を握りしめていた。エリーは男の肩をぽんと叩くと皆に顔を向ける。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加