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ナオキはそう言うと女性を肩からおろした。
『カレン!』
男は声を上げて横たわる女を抱き上げた。
『誰だ、こいつ?』
ナオキは訝しい顔つきで男を見下ろすと、仲間たちに鋭い視線を向ける。
『なんで部外者がいる?』
『あー、それは…』
エリーが言葉に詰まっていると
『エリーが連れてきた』
『オミ!チクるなよ!』
エリーが慌ててオミの口を押える。が、時すでに遅くナオキはエリーに歩み寄ると胸ぐらを掴んで睨みを利かせた。
『てめぇ、勝手な事してんじゃねーぞ』
『あははは…』
笑うしかないエリーはナオキの射すくめるような視線から顔を背けていた。
『カレン、カレン!』
男が女の名を呼び続けていると女が目を覚ました。女は自分を抱き締めている男の顔を見つめて息を飲んだ。
『スレイブ…あなたなの?』
『カレン!』
男は女をきつく抱き締めた。
『お前の言っていた大切なものって、彼女の事だったのか?』
二人の様子を見ていたリュウジが問いかけると男は顔を上げた。
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