第1章

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ナオキはそう言うと女性を肩からおろした。 『カレン!』 男は声を上げて横たわる女を抱き上げた。 『誰だ、こいつ?』 ナオキは訝しい顔つきで男を見下ろすと、仲間たちに鋭い視線を向ける。 『なんで部外者がいる?』 『あー、それは…』 エリーが言葉に詰まっていると 『エリーが連れてきた』 『オミ!チクるなよ!』 エリーが慌ててオミの口を押える。が、時すでに遅くナオキはエリーに歩み寄ると胸ぐらを掴んで睨みを利かせた。 『てめぇ、勝手な事してんじゃねーぞ』 『あははは…』 笑うしかないエリーはナオキの射すくめるような視線から顔を背けていた。 『カレン、カレン!』 男が女の名を呼び続けていると女が目を覚ました。女は自分を抱き締めている男の顔を見つめて息を飲んだ。 『スレイブ…あなたなの?』 『カレン!』 男は女をきつく抱き締めた。 『お前の言っていた大切なものって、彼女の事だったのか?』 二人の様子を見ていたリュウジが問いかけると男は顔を上げた。
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