第1章

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『そうです。俺は「BLACK RIDERS」に攫われたカレンを奪い返すためにここに来たんです』 そう言った男は立ち上るとナオキに近づいて行った。 『ありがとうございます。なんてお礼を言えばいいか…』 『あ?ついででしたことに礼を言われる筋合いはねーよ』 『でも、カレンを助けてくれたことは間違いありませんから…』 面倒臭そうに答えるナオキに男はもう一度頭を下げた。 『そんな事より、早くここから離れろ。ここは危険だ』 ナオトがそう言うと男は女の手を取って立ち上がらせた。 『俺らが「BLACK RIDERS」を引きつける。お前らは町に戻れ』 『でも、どうやって…』 男が言うとナオキがエリーに視線を向ける。エリーはその視線の意図を理解したのか小さくため息をついた。 『分かってんだろ?』 『はいはい。勝手に連れてきたんだから、責任持て…だろ』 『当たり前だろーが』 エリーは今度は大きなため息をついて男に向かって鍵を投げた。 『これは?』 『俺の車に乗せてるバイクの鍵。それを使え』 エリーは言いながら自分の車の荷台を指さした。男は荷台からバイクを下ろすと女を後ろに乗せた。
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