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『そうです。俺は「BLACK RIDERS」に攫われたカレンを奪い返すためにここに来たんです』
そう言った男は立ち上るとナオキに近づいて行った。
『ありがとうございます。なんてお礼を言えばいいか…』
『あ?ついででしたことに礼を言われる筋合いはねーよ』
『でも、カレンを助けてくれたことは間違いありませんから…』
面倒臭そうに答えるナオキに男はもう一度頭を下げた。
『そんな事より、早くここから離れろ。ここは危険だ』
ナオトがそう言うと男は女の手を取って立ち上がらせた。
『俺らが「BLACK RIDERS」を引きつける。お前らは町に戻れ』
『でも、どうやって…』
男が言うとナオキがエリーに視線を向ける。エリーはその視線の意図を理解したのか小さくため息をついた。
『分かってんだろ?』
『はいはい。勝手に連れてきたんだから、責任持て…だろ』
『当たり前だろーが』
エリーは今度は大きなため息をついて男に向かって鍵を投げた。
『これは?』
『俺の車に乗せてるバイクの鍵。それを使え』
エリーは言いながら自分の車の荷台を指さした。男は荷台からバイクを下ろすと女を後ろに乗せた。
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