第1章

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『タカノリー』 ケンジロウが手を振ると二人の前でバイクが止まる。タカノリと呼ばれた男は端正なその顔を綻ばせるとバイクから降りた。 『待たせた?』 『まだ俺らだけ。ケンジロウも今来たとこだしな』 『マジで?最後だったら、絶対ナオキに文句言われるってヒヤヒヤしてたよ』 タカノリはそう言うと安堵したように微笑んだ。二人は顔を見合わせると互いに肩を竦める。 『ナオキはなぁ…』 『すぐ怒るからなぁ…』 苦笑しながら言葉を紡ぐ二人を見てタカノリは言った。 『でも今回は文句言いようがないよね。俺らが文句言ってもいいんじゃない?』 『間違いない!』 『よっしゃ!今日は俺らが文句言おうや!』 三人は嬉しそうに声を弾ませていた。
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