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不機嫌さを隠しもしないオミの様子にナオトはため息をついた。
『じゃ、あいつらが来るのをただ待つのか?迷子になってたら、あいつらいつになってもこねーぞ』
『…』
『どうしても嫌なら俺がするけど?』
ナオトはそう言ってオミに向かって手を差し出した。
『分かったよ!』
若干、キレ気味のオミ。だがオミは端末を操作して自分の耳に当てた。
端末から聞こえる呼び出し音がさらにオミのイライラを募らせる。呼び出し音が途切れた。その瞬間
『オミ?早く来いよー』
耳に届いたリュウジの第一声にオミの苛立ちが爆発した。
『てんめー、ふざけんな!』
いきなり怒鳴り声を上げるオミにナオトが驚いたように振り返る。
『オミ?何怒ってんの?』
『このバカが!』
怒りが収まらないオミの様子にナオトはまたため息をついた。ナオトはオミに歩み寄るとその手から端末を取り上げる。冷静さを欠いているオミでは話が進まないと思ったからだ。
『リュウジ?』
『ナオト?まだこねーのかよ?』
ナオトはリュウジの言葉に苦笑いを浮かべる。
『リュウジ、目印何だったか覚えてる?』
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